10月までの舳倉島航路の島からの出航時間は午後の3時。
いつもなら、最後の数分まで時間を惜しんで歩き回るのですが、今回はあまりの鳥の少なさに少々疲れてしまい、島でのラスト1時間ほどは水場で時折やってくるムシクイを観察していました。すると奥の破の地面をトコトコ歩く影を発見!ピョンピョンではなくトコトコだったのでビンズイかな?と思って双眼鏡を向けるとシマセンニュウでした。北海道ではよく見かけるシマセンニュウですが、渡りの途中で姿を見ることはその生態上希で、私も北海道以外の地域で見たのは初めてです。
扇型の尾と顔つきからシマセンニュウと判断したのですが、雨覆い先端の白班、胸と頭部の黒い縦班、黄色味を帯びた眉班と胸から幼鳥と分かりました。結局開けた場所には出てこず、一瞬だけの観察となりましたが私には嬉しい出会いとなりました。
コホオアカ。今回、ホオジロ類はほとんど見られず、期待していたシラガホオジロやツメナガホオジロは見ることができませんでしたが、このコホオアカはいつもどおり楽しませてくれました。地鳴きは「チッ」というアオジに似た地鳴きですが、アオジのように濁らず、やや優しいトーンです。アオジと同じブッシュに潜んでいてもアオジよりは潜らないことが多いので、比較的姿は見やすいです。
カラアカハラ。今回一番の珍鳥でしょうか..
このカラアカハラ、春の渡りの時によく観察されますが、秋も少数が通過しているようです。この個体は喉から体下面にかけてが白く胸の黒班から♀の成鳥個体と思われます。やや距離があったので詳細はわかりませんでしたがこんな開けた場所にも出てくるのかと少々驚きました。
2013年10月初旬・撮影地石川県舳倉島