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風蓮湖(タンチョウ)

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風蓮湖は、周囲58km、面積5,210haの広い湖で、汽水湖としては日本で第5位の大きさです。湖には、大小17河川が流入しており、風蓮川、別当賀川等大きな4河川の河口では三角州が形成されています。また、湖畔は湿地・湿原部が多く、多様な生物相が見られます。風蓮湖から根室湾への流入口は、広大な砂州となっており、左岸砂州を走古丹、右岸砂州は春国岱と呼ばれています。2005年(平成17年)には、「風蓮湖・春国岱」の地域がラムサール条約に登録されました。

今回は落石クルーズを終えた後の最後の宿を風蓮湖沿いにとりました。宿に到着するとすぐ裏側に湖面が広がり、タンチョウを遠望できました。対岸ですのでタンチョウまでの距離は200メートル近くあります。タンチョウの自然界での繁殖成功率は非常に低く、キツネ、カラス、オジロワシなどが天敵です。この場所周辺での何番かが繁殖しているらしいですが今年はいずれも失敗に終わり、この番も今年3回目の繁殖に取り組んでいるとのことでした。私が到着したときも野犬が雛のそばにいるらしく盛んに威嚇を繰り返していました。
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時にはこちらの岸辺にもやって来るらしく、この時も車に荷物を取りにいっているすきにやってきて餌をついばんでいたようです。気が付かずに近づいたら飛んでしまいました。残念。
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翌朝、双眼鏡で確認すると生まれたばかりの雛を連れて歩く姿を確認できました。写真では少し見ずらいですが、黄色っぽい雛鳥が写っていると思います。一羽だけ(通常は2卵)でしたが無事育ってほしいです。
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その後は納沙布岬に行きました、濃い霧でなにも見えず。途中の道路わきの草原でノビタキを観察します。育雛の最中のようで盛んに餌を運んでいました。
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最後に風蓮湖の夕暮れです。湖に沈む夕日は感動的でした。
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今回、知床半島~野付半島~根室と4日間にわたって鳥を見ました。草原の小鳥の季節はピークを過ぎていましたが、その分シギチドリ類やクルーズ船からの海鳥観察がメインとなりました。海鳥、シギチドリ類は8月の盛夏でも十分楽しめると思います。北海道の新たな魅力を発見できた有意義な4日間となりました。今回の観察種は58種類、ライファーはシマフクロウ、エトピリカ、チシマウガラスの3種類でした。

2011年7月下旬・撮影地風蓮湖・納沙布岬
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by hideaki0310 | 2011-08-18 17:38 | 北海道 | Trackback | Comments(2)

知床半島 その2(シマフクロウ)

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シマフクロウは大型の魚食性のフクロウでかつては全道に生息していたといわれていますが、現在では約120羽ほどが北海道東部を中心に生息するにとどまり、その4割がここ知床半島に生息しています。広葉樹大木の樹洞に営巣しますが、繁殖の成功率は高くなく、既存野外個体の多くは人工給餌や巣箱による繁殖支援を受けているのが現状です。環境省のレッドリストでは絶滅危惧種IA種(CR)に指定されています。

この場所は昔からシマフクロウが観察できる場所として非常に有名です。目の前を流れる川に設置している小さな生簀の中の魚を目当てにやってくるシマフクロウを車の中から待ちます。私が訪れた時は成鳥2羽(♂、♀)と昨年生まれた若鳥1羽の全部で3個体が現れてくれました。全長65~70センチ、翼開長180センチのシマフクロウは数字以上に大きく見えます。まずやってきたのが成鳥の♂です。♀のほうがやや大きいようですが野外での識別はできません。この個体は青と黄色の足輪をしているのでそこで判別します。
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次にやってきたのが昨年生まれた若鳥。大きさも模様も親と変わりません。幼鳥は生まれた翌年春から翌々年春まで親元に留まるようです。この若鳥も来年の春にはこの場所を離れるのでしょう。
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最後が♀です。♀は2回やって来てくれましたが、いずれも餌を持ち帰っていましたので、まだまだ今年生まれの雛鳥に餌をはこんでいるのでしょう。
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今年はこの場所で一羽の雛鳥が育っているようですが、やはり人工の巣箱での繁殖とのことでした。知床半島のような自然な豊かな場所ですらシマフクロウの営巣に適した大木がないということになります。場所によっては徐々に個体数が増えているようですが、各生息地間の分断が激しい現状では定着性の強いシマフクロウにとって安泰というわけではありません。いつか自然な状態でのシマフクロウが見られるように微力ながら協力したいと思います。

2011年7月下旬・撮影地知床半島
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by hideaki0310 | 2011-08-11 12:19 | 北海道 | Trackback | Comments(2)

知床半島 その1(ケイマフリ)

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世界自然遺産に登録された知床半島には手つかずの自然が残されており、シマフクロウやヒグマといった貴重な生物の生息地となっています。知床半島が素晴らしいのは陸地だけではありません。半島周辺を囲む豊かな海です。また、半島の東側であるウトロと知床峠を越えた反対側の羅臼では地形の関係もあって気候がかなり異なります。羅臼側は海流と風の関係で気温が低く、霧に包まれることが多いのですが、峠をを挟んだ反対側のウトロは晴れることが多いのです。そういった気候の違いもあり、半島の東側と西側では見られる動植物にも違いがあるようです。今回はウトロ側と羅臼側の両方で船から観察しました。

ケイマフリ。ケイマフリはウトロ側のほうで目にすることが多いです。ウトロ側は海岸線が切り立った崖になっている場所が多く、そういった岩場で多くの海鳥が繁殖しています。ケイマフリもその中の一つです。
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船からは下の写真のような場所に多くの海鳥が見られます。写っているのはウミウとオオセグロカモメです。
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フルマカモメ。これは羅臼側で撮影しました。羅臼側のクルーズは岸から離れた場所を進みますので、非常に多くのフルマカモメを目にすることができます。関東近辺ですとオオミズナギドリがメジャーですが、ここではフルマカモメが主役です。ここでも白色型が一羽だけ出現しましたが、暗色型がほとんどです。日本近海で見られるフルマカモメはほとんどが暗色型で白色型はほとんどみかけませんが、緯度が高い地域では逆にほとんどが白色型で暗色型は少数派になるようです。
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ウトウ。港をでるとすぐにいくつかの群れと遭遇しました。
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羅臼側の主役はなんといってもクジラなどの海獣類です。3月~6月にかけてはシャチ、7月~9月にかけてはクジラが多く見られるようです。今回はなんと両方出現してくれ、特に野生のシャチは初めて見ました。この時期、こんな陸地の近くでシャチが見られるのも世界的にめずらしいそうです。今回は5~6頭の群れを数回見ることができました。シャチは海のギャングと呼ばれ、クジラやアザラシなどを餌にします。近くで見るとすごい迫力でした。
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マッコウクジラ。最初は遠くに潮吹きが見えました。まき上がる海水はかなり遠方からも確認することができます。最後のほうに近くで観察することができました。やはり大きい!ちなみに写真ですとわかりにくいですが、このマッコウクジラ、尻尾の大きさだけで3メートルあるそうですよ。この後、天敵のシャチを嫌がるように深い海に潜行していきました。
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2011年7月下旬・撮影地知床半島
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by hideaki0310 | 2011-08-08 08:33 | 北海道 | Trackback | Comments(0)

九十九里~波崎~利根川中流(ツバメチドリ・エリマキシギ)

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8月に入った最初の週末、千葉県九十九里から北上し、波崎、利根川中流域の田園地帯を回りました。海岸ではアジサシ、田園ではシギチを期待しましたが、アジサシは時期的に遅かったようでコアジサシのみ、シギチについても朝方まで確認されていた目的の種類が抜けてしまい見ることができず少し残念な結果に終わりましたが、さすが何度も訪れている定番コース。この時期、この場所の鳥たちを一通り楽しめました。

コアジサシ。最初に訪れた木戸浜海岸にアジサシの姿はなく、飯岡海岸に向かいました。飯岡海岸ではほとんどの幼鳥が飛べるようになっていて、コロニーがあった場所はもぬけの殻でした。コロニー近くの防波堤には今年巣立った若鳥が沢山見られました。一応飛べるようですが親鳥のようにうまく飛べるわけではなく、まだまだ親鳥からの給餌にたよっています。
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オオミズナギドリ。途中に寄った銚子港にはウミネコばかりが目立ちましたが、第3漁港に浮かんでいるオオミズナギドリが一羽だけいました。特に海がしけているわけでもありませんでしたのでこんな場所で見るのはめずらしいです。ちょっと衰弱しているようでした。
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ツバメチドリ。銚子港から対岸の波崎に向かいます。波崎でもアジサシの姿はなく閑散としていました。しかしながらツバメチドリはまだ滞在しています。6月に発見されて以来、多くの人に観察されつけたせいか人慣れしてきたようで、近づいても逃げません。前回観察した個体の同じだと思うのですが、だいぶ換羽が進んでいて冬羽の特徴が見られました。
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エリマキシギ。本日最後のポイントである河内町の休耕田です。本命は抜けてしまいましたが、夏羽の残るエリマキシギは居てくれました。広い休耕田で一羽だけでした。動き回っていると遠くからでもすぐにわかりますがしゃがみこんでしまうと土の塊にしかみえませんね。
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アマサギ。群れで居ました。ほとんどが白い冬羽でしたが、中には夏羽の亜麻色が残る個体が2個体いました。
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2011年8月上旬・撮影地九十九里~波崎~河内町
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by hideaki0310 | 2011-08-05 21:39 | 茨城県 | Trackback | Comments(0)

野付半島 その2(ノゴマ)

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北海道の草原に来たらやはり会っておきたいのがこのノゴマでしょう。昨年は今年より一週間ほど遅い日程だったこともあってノゴマの姿を見ることはありませんでしたが、今回2個体だけとはいえ、その美しい囀りとともに堪能することができました。時間帯はやはり早朝、曇り空のほうが目立つ場所に出てきてくれるようです。特徴である赤い喉を目いっぱい膨らませて囀りを披露してくれました。下の写真では口に餌を咥えています。まだまだ子育てに大忙しのようです。
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オオジュリン♂。関東では冬羽をみるとが多いですが北海道では写真のような夏羽でのお出迎えです。
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オオジュリンもあちこちで子育てにいそしんでいる姿を目にしました。下の写真は♀と巣立ち雛です。雛は巣立ったばかりらしくまだまだ上手に飛べないようで、近くで親が寄り添うように行動していました。
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ベニマシコ。今回はベニマシコの囀りをタップリと聞くことができました。関東では冬鳥ですので、「フイ、フイ」という地鳴きはよく耳にします。今回聞いたベニマシコの囀りは小さな体に似合わず、力強い美しい囀りでした。
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2011年7月下旬・撮影地野付半島周辺
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by hideaki0310 | 2011-08-03 20:39 | 北海道 | Trackback | Comments(2)