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オーストンオオアカゲラ(White-backed Woodpecker)~2013.06

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早朝、奄美自然観察の森ではオーストンオオアカゲラのドラミングが響き渡っていた。一般的に亜種の識別は難しいがこのオーストンオオアカゲラは「わかりやすい」。日本国内に生息する野鳥の亜種は通常、南に行くほど色が濃くなる傾向にある。ヒヨドリなどがその代表例だが、このオーストンオオアカゲ、暗い場所で見たこともあるが第一印象は真っ黒。羽の白い班も本州のオオアカゲラに比べて少なく、お腹も黒い。オスもメスも同じ傾向だ。
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上の写真は奄美自然観察の森を縄張りとするペアで下が♀、上が♂。コツコツコツという音で初めは♀の存在に気がついたがしばらくすると♂も飛んできた。鳴き声などは本州のオオアカゲラと同様、「キョッ、キョッ」というやや甘い声。警戒心は強くなく、カメラを構える私のすぐそばまでやってきてコツコツやる。
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ルリカケス同様、生い茂る樹木に遮られ、撮影は難しいが島での個体数は比較的多いようで、ほかの場所でも何度か目にした。

2013年6月中旬・撮影地奄美自然観察の森
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by hideaki0310 | 2013-06-27 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

ベニアジサシ(Roseate Tern)~2013.06

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今回の旅の目的の一つ、ベニアジサシ。関東地方でも6月~7月に通過する個体に会うことがある。ここ奄美大島では北部の海岸で不定期ながら数つがいが繁殖しているとのことだが、台風などの影響で毎年確実に繁殖が成功するとは限らないらしい。今回は旅の途中と思われる30羽ほどのベニアジサシに会うことができた。エリグロアジサシも数羽混じっていたが、ほかはすべてベニアジサシ。南の島に来たという印象を強く感じた。
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ベニアジサシのつがい。この時期は繁殖期前のため、まだ嘴は黒い個体が多かった。初列風切より明らかに長い尾羽が特徴だ。アジサシなどに比べると嘴は細く、体型もスマートに見える。胸の薄いピンク色をおびていて美しい。
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ペアはすでに決まっているようで、あちこちで♂が♀に小魚をプレゼントしては羽根を広げて求愛行動を行っていた。ここ奄美でも不定期に繁殖はしているらしいが、これらのベニアジサシがすべてこの場所で繁殖するわけではなく、一定期間を過ぎると姿を消すようだ。さらに北に移動するのか、それとも奄美周辺の離島で繁殖するのか。。
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上の写真の個体は嘴がやや赤みを帯びている。30羽ほどの群れだったが、このように嘴が赤みを帯びている個体は3分の1ほどで少数派だった。
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漁港にある生簀の小魚を狙うところ。中にはせっかくとった魚を落としてしまうものも。。。アジサシたちのほかには白黒両方のクロサギが餌にありついていた。

2013年6月中旬・撮影地奄美大島大熊漁港
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by hideaki0310 | 2013-06-24 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

アマミヤマシギ(Amami Woodcock)~2013.06

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夏至に近いこの時期でも夜の8時を過ぎるとあたりは闇に包まれる。暗くなるのを待って奄美大島中南部、この島でも一番深いと言われる森になかに入る。林道をしばらく進むと奄美大島に生息するアマミノクロウサギ、オットンガエル、ハナサキガエル、アカマタ、サソリモドキなど様々な生物が目の前に現れるが、目的のヤマシギはなかなか姿を見せない。ガイドの方と懐中電灯を片手にヤマシギを探していると、目の前を横切る影が。。アマミヤマシギだ。図鑑などを見てヤマシギとの違いは頭に入れていたが、実際に見た第一印象は「ヤマシギとはかなり印象が異なる」ということだ。まず、ライトの関係もあるだろうが体色はアマミヤマシギのほうが「茶褐色」で、暗く見える。頭の模様も異なる。なにより目がいったのはその太い足。嘴もそうだが、ヤマシギより明らかにがっしりしている。行動は非常にゆっくりで、車が近づいても逃げる気配はない。
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意外だったのは写真のような開けた場所が好きで、夜はこのような場所でミミズなどを採餌するようだ。飛んだシーンも目にしたがあきらかに「下手」。できれば飛びたくないのではないかと思うような鈍重な飛び方であった。したがって長い距離を飛ぶことはまずなく、沖縄本島など奄美以外でのアマミヤマシギの目撃例があるとされるが、あの飛び方を見てしまうと渡りなどで移動したものではなく、元来その場所に生息していたものなのであろうと想像できる。
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目の周りの皮膚が露出している。これもアマミヤマシギの特徴だ。
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初日はガイドの方に同行してもらったが、2日目、3日目はひとりで同じ場所を回って見た。3日とも時間は同じくらいだったが、2日目の夜はヤマシギにもクロウサギにも会えなかった。この時期は夜の観察には適しているとのことだったが、相手は野生生物。観察される方は余裕を持った日程をお勧めする。

2013年6月中旬・撮影地奄美大島住用地区
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by hideaki0310 | 2013-06-20 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(2)

奄美大島~2013.06

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奄美大島は日本では3番目に大きな島で人口は7万人程度。行政区は鹿児島県に属するが、地政学的には沖縄に分類される。島のほとんどが原生林に覆われ、地理的に九州とも沖縄とも違う独自の生態系を有するため、東洋のガラパゴスと呼ばれており、野鳥ではルリカケス、アマミヤマシギ、オオトラツグミ、オーストンオオアカゲラ、哺乳類ではアマミノクロウサギなど奄美にしか生息しない生物が多くみられる。上の写真はアマミノクロウサギ。原始的なウサギでノウサギとは見た目も全く違う。想像以上に大きかった。。

今回の目的は六月ということでアジサシ類とアマミヤマシギ。事前の問い合わせなどでルリカケスやアカヒゲなどの森林性の野鳥は繁殖期が過ぎてしまうとなかなか難しいということだった。ルリカケスやアカヒゲが目的であればやはり繁殖期の3月から4月が適しているとのこと。

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奄美空港からすぐの大瀬海岸。渡りの時期はシギチドリ類を中心に様々な種類が見られる場所。岩場と干潟がまじりあったような環境で、満潮時でも写真のように広い範囲で浅瀬が広がる。今回はコアジサシなどのアジサシ類とソリハシセイタカシギ、クロツラヘラサギなどを観察した。

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奄美自然観察の森。島の北部の長雲峠の近くにあり、ルリカケスやアカヒゲの観察に適した場所。長雲峠付近からの眺めも素晴らしい。園内はうっそうとした木々に包まれており昼でも薄暗いほどだが、歩道が整備されており歩きやすい。奄美大島にはハブが生息するので歩道を外れて歩くことは危険が伴うので注意。今回、アカヒゲは声のみ、ルリカケスは何度か姿を目撃したが、高い木の梢付近を移動しており、じっくりとは観察できなかった。その点、オーストンオオアカゲラは個体数も多くあまり人を警戒しないので、存分に観察することができた。

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秋名水田地帯。奄美唯一の水田地帯で秋から冬にかけての時期や渡りの時期などはさまざまな水鳥を観察できる場所。奄美では1990年くらいまでは各地に水田地帯があったとのことであるが、いまやサトウキビ畑などに代わっており水田地帯はここ秋名のみ。その秋名も農業従事者の高齢化などの理由により写真のような耕作放棄地が多く、水田は年々減少しているようだ。今回、またしてもリュウキュウヨシゴイの姿は見られなかった。。

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住用地区の林道。住用は島の中南部に位置し、島でもいちばん深い森が広がる場所。写真は昼ものだが今回はガイドをお願いして夜の林道を車で走り、アマミヤマシギやアマミノクロウサギなどを観察した。この時期に奄美に行くなら是非夜の奄美を体験していただきたい。ガイドをお願いすることになるがその価値は十分にある。アヤミヤマシギはもちろんのこと、枝先でアカショウビンが寝ていたり、運がいいとオオトラツグミやルリカケスが休んでいるところを見られることもある。その他、夜行性のアマミノクロウサギ、両生類、爬虫類など数多くの生き物たちを観察できる。

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奄美最高峰の湯湾岳周辺とマングロープ。湯湾岳の中腹を縫うように県道が走る。県道沿いではルリカケスの姿やリュウキュウキビタキ、アカヒゲの囀りが響く。谷沿いは沖縄県北部のヤンバルと雰囲気は非常によく似ていて、植生もほぼ同じ。大昔、沖縄と奄美はつながっていたという話も頷ける。大陸から分離した奄美と沖縄は長い時間をかけて独自の生態系を育んできた結果、ヤンバルにはヤンバルクイナ、ノグチゲラ、奄美にはルリカケスといった固有種が残ったのだろう。開発が進む沖縄に比べて奄美は原始の趣を残す島だった。

(観察種)
アオサギ、クロサギ、チュウサギ、ダイサギ、コサギ、アマサギ、クロツラヘラサギ、カルガモ、ソリハシセイタカシギ、シロチドリ、キョウジョシギ、アマミヤマシギ、アジサシ、コアジサシ、エリグロアジサシ、ベニアジサシ、キジバト、ズアカアオバト、リュウキュウコノハズク、ヒヨドリ、オオトラツグミ、イソヒヨドリ、ルリカケス、ハシブトガラス、リュウキュウシジュウカラ、オーストンオオアカゲラ、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウ、リュウキュウメジロ、アカヒゲ(V)、カワセミ、リュウキュウサンショウウクイ、ミフウズラ、ススメ、ホオジロ?、バン、シロハラクイナ、リュウキュウツバメ、ツバメ、リュウキュウキビタキ(V)、リュウキュウツミ、アマミコゲラ 以上43種

2013年6月中旬・撮影地奄美大島
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by hideaki0310 | 2013-06-19 06:00 | フィールドノート | Trackback | Comments(2)

オオトウゾクカモメ(South Polar Skua)〜2013.06

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ミズナギドリやクロアシアホウドリなど殆ど羽ばたかずに飛び回る海鳥の中にカモメのように羽ばたく海鳥を発見。その姿を見てトウゾクカモメと分かった。しかしトウゾクカモメに比べると翼に厚みがあり、胴体も太い。おまけにトウゾクカモメの特徴であるスプーンのような尾が見られない。オオトウゾクカモメだった。
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オオトウゾクカモメは初めて見たが、上述のようにシルエットがまったくことなるので遠くからでも判断は比較的容易である。今回は船に沿って飛んでくるたので、特徴である初列風切の白色班がはっきり見えた。
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上の2枚はオオミズナギドリに対して盗賊行為を行っている瞬間。狩りは成功したのかはわからなかったが、目の前で繰り広げられるシーンにしばし眼を奪われた。

2013年6月上旬・撮影地三宅島〜竹芝航路
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by hideaki0310 | 2013-06-17 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

クロアシアホウドリ(Black-footed albatross)〜2013.06

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14時過ぎに船に乗り込み竹芝桟橋に向かう。鳥見の楽しみはまだまだ続く。三宅島から大島沖を通過する17時過ぎまで甲板から海鳥を観察した。この日は風が強く、甲板にまで波しぶきが飛んでくるような状況であったが、沢山の鳥たちが姿を現してくれた。一番多いのはなんといってもオオミズナギドリだが、同じ仲間のアカアシミズナギドリ、ハイイロミズナギドリ、ハシボソミズナギドリが交じる。ほかにはウミツバメ類、運がいいとアホウドリ等も見られるらしい。今回、アホウドリは出現しなかったが、同じ仲間のクロアシアホウドリは何度も出現してくれた。このクロアシアホウドリ、今年の4月に八丈小島で初めて繁殖が確認され、世界最北の繁殖地として話題となったことは記憶に新しい。
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アホウドリよりはやや小さいとは言え、翼開長は2mを超えるため距離があっても発見はしやすい。長い翼を広げ、殆ど羽ばたかずに海面を滑空するように飛ぶ。
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航路上で休んでいた個体。船が近づくと飛び立つが離れていくわけではなく、船についてくるようにして飛ぶ。

2013年6月上旬・撮影地三宅島〜竹芝航路
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by hideaki0310 | 2013-06-15 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

ウチヤマセンニュウ(Styan's Grasshopper Warbler)~2013.06

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ウチヤマセンニュウは北海道で見られるシマセンニュウと非常によく似ている。つまりなかなか姿を見るのが難しいということだ。繁殖期のウチヤマセンニュウは比較的開けた場所でさえずるが、それは条件が良い時の話。今回(というか前回も)は強風のため、目立つところに出てきてくれない。すぐそばでさえずっているのに姿が見えないという前回と同様のパターン。しかしながら繁殖期ということもあり行動は活発で日が高くなってもさえずり飛翔をしたり、縄張り争いをしたりと姿は何度も確認できた。おかげでかなり距離はあったもののなんとかカメラに収めることができた。
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シマセンニュウと比べるとさえずりはやや賑やか。体つきはよく似ているが、ウチヤマセンニュウのほうががっしりとした印象で、くちばしが長いことは遠目からもわかる。
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道路わきに出てきた個体。


2013年6月上旬・撮影地三宅島
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by hideaki0310 | 2013-06-12 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

ヤマガラ(Varied tit)~2013.06

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亜種オーストンヤマガラ。三宅島、御蔵島、八丈島にのみ生息する固有亜種だ。性格は本州のヤマガラと同様活発で、人をあまり恐れないので近くまで来てくれる。亜種とはいえ、ここまではっきりとした赤褐色の色彩からは本州のヤマガラを見慣れている身としてはまるで別種のようだ。よく見ると色彩だけではなく、本州のヤマガラに比べてやや大きく、嘴ががっしりしていることがわかる。
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オーストンヤマガラ幼鳥。若い個体であることは確かだが、今年生まれの幼鳥なのかそれとも昨年生まれの若鳥なのか。。。色彩からすると今年生まれの幼鳥と思われるが、がっしりした嘴や足は成鳥と同じ。
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こちらも亜種のシチトウメジロ。こちらは本州のメジロとの違いはほとんどない。鳴き声もよく聞いたが、違いは判らなかった。。
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2013年6月上旬・撮影地三宅島
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by hideaki0310 | 2013-06-10 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

アカコッコ(Izu Islands thrush)~2013.06

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アカコッコ♂。前回と同様、アカコッコ館の水場周辺で撮影した。三宅島でのアカコッコの個体数は多く、特にアカコッコ館周辺では水場にやってくるもの、地上で餌を採るものと普通にアカコッコを見ることができる。標識調査などが行われているのだろうか、アカコッコ館周辺に生息するほとんどの個体に写真のように足輪がついている。2000年の噴火以降、順調に個体数を回復しているようだ。
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下の写真は若い♂の個体と思われる。上の2枚の個体と比べて頭部がやや褐色がかった黒であること、胸から腹にかけての橙色が成鳥に比べると鮮やかでないことがわかる。
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この個体も若い♂だ。上の個体にくらべるとさらに褐色味が強い。足輪もしていないので、今年生まれの個体だろうか。。。
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下の2枚は♀。♂と違って、頭部から顔にかけて茶褐色でのどが白いことがわかる。本州で見かけるアカハラとよく似ている。
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2013年6月上旬・撮影地三宅島
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by hideaki0310 | 2013-06-08 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

イイジマムシクイ(Ijima's Leaf Warbler)〜2013.06

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大路池周辺の森に一歩足を踏み入れると「チュビチュビチュビ」という賑やかなさえずりが聞こえてくる。声の主はイイジマムシクイ。伊豆諸島とトカラ列島でのみ繁殖する種類で、生態は謎の部分が多い野鳥である。姿かたちはセンダイムシクイと酷似する。よく見ると頭央線がないこと、眉班がやや細いこと、体下面の黄色みが少ないことなどがわかる程度。鳴き声が違わなければとても別種とは思えない。
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三宅島では個体数が多く、森の中ではイイジマムシクイの声が一番多く聞こえる。行動は活発で、センダイムシクイなどと比べると開けた場所にもよく出てくるので姿は比較的観察しやすい。ムシクイの仲間といえばチョコマカと動き回り、撮影するのに苦労することが多いが、イイジマムシクイは比較的動きがゆっくりである。
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アカコッコもそうであるが、伊豆諸島とはかなり距離が離れているトカラ列島のみで生息、繁殖する種類がいるのはなぜなのだろうか。三宅島でのイイジマムシクイの生息密度が高いことを考えるとますます興味を引かれる。

2013年6月上旬・撮影地三宅島
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by hideaki0310 | 2013-06-06 19:14 | 離島 | Trackback | Comments(0)