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落石クルーズ~2013.07

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この時期恒例となった落石クルーズに乗船した。このクルーズ船に乗るのは4回目。この時期の落石周辺は、濃い霧に包まれることが多い。この日も落石港は濃い霧に包まれ視界はほとんどきかなかった。この霧、太平洋高気圧から吹き付ける湿った暖かい風が根室沖を流れる冷たい千島海流によって冷やされ発生するいわゆる海霧。霧が立ち込めてしまうと海上での視界は20メートルほどになってしまうので野鳥の観察には当然向かないわけであるが、本来、千島列島以北で繁殖するはずのエトピリカがこの地で繁殖しているのはこの霧のおかげであり、この霧が貴重な繁殖地を支えていることになる。

この日、濃い霧に阻まれ、普通は出発して30分ほどで目に入ってくるユルリ島、モユルリ島の島影が見えないほど。相当接近してようやくぼんやり見える程度。そんな状況のため、このクルーズ船のメインであるエトピリカの発見にはやや時間がかかった。視界がきけば遠くの鳥も発見しやすいので種類を見たい場合にはやはり霧がないほうが良い。しかしながら、霧が濃い場合でも楽しみはある。普段、船の姿をみると逃げてしまう海鳥たちも霧の中では比較的のんびりしている。この日もメインのエトピリカを至近距離で観察することができたし、なんとカンムリウミスズメに出会うこともできた。そのほか印象に残ったのは、シロエリオオハムの数が非常に多かったこと、もっと早い時期には目にすることが多い、ハイイロミズナギドリがほとんどおらず、その分フルマカモメの数が多かったこと、そのフルマカモメが出す「におい」が非常に臭かったこと、潮目に多くのヒレアシシギがおり、ハイイロヒレアシシギとアカエリヒレアシシギの大きさの違いをじっくり確認できたことなど。ひそかに狙っていたツノメドリ、ウミバトには会えなかったが、このクルーズは何度乗っても新しい発見がある。クルーズ船の運営母体の体制や出現種など総合的に見ても野鳥観察に関してこのレベルのクルーズ船は日本ではここだけだろう。素晴らしいクルーズだと思う。

(観察種)
ウミネコ、オオセグロカモメ、ウトウ、フルマカモメ、ハイイロミズナギドリ、シロエリオオハム、ケイマフリ、ウミガラス、エトピリカ、ハイイロヒレアシシギ、アカエリヒレアシシギ、ウミウ、ヒメウ、カンムリウミスズメ、ウミスズメ、以上14種。

(その他)
曇り(霧)時々小雨。気温17℃。午前便(9時~11時半)

2013年7月28日
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by hideaki0310 | 2013-07-29 07:00 | フィールドノート | Trackback | Comments(0)

オオトラツグミ(Amami Thrush)~2013.06

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オオトラツグミ。奄美大島の固有種であり、現在の生息数は1、000羽程度と言われている。繁殖期である3月~4月の時期は早朝、明るくなる少し前に一斉にさえずるという。その時期にはオオトラツグミの個体数の一斉調査が行われ、さえずりの数から生息数を割り出しているとのことだった。ボランティアの方が手分けをして確認するらしいが、今年(2013年)の調査では400~500個体のさえずりが確認されたとこと。調査を開始した1990年以来、確認できた数は最高を記録したのでやはり個体数も増加傾向にあると思われる。
http://www.synapse.ne.jp/~lidthi/AOC/news/ootorabosyuu13.html

今回、時期的に生のさえずりを聞くことはできなかったが、本土のトラツグミとは全くことなり、クロツグミとアカハラのさえずりを足して二で割ったような美しいさえずりだ。是非とも一度ライブで聞いてみたいものだ。
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林道のすぐ脇で休むオオトラツグミ。見た目はトラツグミとほとんど変わらないように思えた。大きさの違いもわずかだが、唯一目の周りの皮膚が露出している点がトラツグミにはない特徴だろう。アマミヤマシギも同じように目の周りの皮膚が露出するが、両者に共通するこの特徴はどんな理由があるのだろうか。。
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まさか、実物が見られるとは思っていなかったので久々に興奮し、車のライトに照らし出されたオオトラツグミに向かって夢中でシャッターを切った。フラッシュをたかなければ逃げることはないらしく、その後じっくりと双眼鏡で観察することもできた。さらにこの夜はなんともう一個体が見られるという幸運に恵まれ、大満足のナイトツアーとなった。
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同じ日に観察したリュウキュウアカショウビン。本土のアカショウビンに比べると紫色がかった体色が特徴である。この鳥もフラッシュで撮影してしまうとムラサキショウビンになってしまうので、車のライトと懐中電灯のみで撮影した。今回のナイトツアーは有限会社奄美ネイチャーセンター略称(ANaC) アナックにガイドをお願いした。アナックのガイドの方は普段、国や県から依頼され野鳥を含めた生態調査を行っているということで、奄美大島のことを知り尽くした方だった。そのお話は野鳥だけにとどまらず、奄美大島の文化や歴史にまで迄び実に興味深かった。
次回はオオトラツグミのさえずりとルリカケスメインで3月後半に訪れてみよう。 

2013年6月中旬・撮影地奄美大島住用地区
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by hideaki0310 | 2013-07-22 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

クロツラヘラサギ(Black-faced spoonbill)~2013.06

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大瀬海岸で出会った、クロツラヘラサギ。ここ奄美では毎年数羽が飛来するようだ。世界的な希少種であるクロツラヘラサギであるが、近年各地で観察されることが多くなった。個体数は増加傾向にあるとのことなので、喜ばしい限りだ。この時期は夏羽になっていてもおかしくないが、この個体は成鳥夏羽に見られる黄金色の冠羽は見られない。飛翔シーンを確認できなかったのであるが、下の写真を見ると風切先端に黒い部分がわずかに見られるので、若い個体だろうと思う。ヘラの部分の黒色も成鳥に比べると褐色部が多く見られる。
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このクロツラヘラサギ、私に全く動じることはなく、すぐそばを堂々と歩き回っていた。

2013年6月中旬・撮影地奄美大島大瀬海岸
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by hideaki0310 | 2013-07-20 07:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

アオバト(White-bellied green-pigeon)~2013.07

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地元大磯の照が崎。早朝にもかかわらず、駐車場は釣り客やサーフィンを楽しむ人たちの車でほぼ満車!そんな賑わう海岸を横目にアオバトの観察に向かう。この日ははるか南の海上にある台風の影響か波が高く、周辺は潮でモヤがかかるような天候ではあったが、6時半~9時の観察中、50羽を超えるアオバトの群れが何度もやってきた。ここ照が崎でアオバトの海水吸引が見られるのは初夏から秋にかけてだが、毎年6月の上旬から盛夏にかけてが飛来のピークを迎える。この日も延1,000羽以上のアオバトを観察することができた。
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上の写真がアオバトの♂。オスには写真のように羽が赤紫がかる。♀にはこの赤紫色はない。(下の写真)
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中には打ち寄せる波に飲み込まれてしまうものもいるが、たくましく波をかいくぐって飛び出してくる。
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2013年7月中旬・撮影地大磯照ガ先
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by hideaki0310 | 2013-07-18 07:00 | 神奈川県 | Trackback | Comments(0)

エリグロアジサシ(Black-naped tern)~2013.06

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ベニアジサシが群れていた生簀のまわりに2羽のエリグロアジサシが混じっていた。このアジサシ、いかにも南国的な色合いをしているので、この鳥を見ると南の島に来たという実感がわく。ベニアジサシもそうであるが、このエリグロアジサシもペアが決まっているようで、写真の2羽はつねに行動を共にしていた。奄美大島ではやはり北部の海岸沿いの岩場で不定期に繁殖しているとのこと。石垣島などではコロニー的なものを形成して繁殖しているところを観察したことがあるが、奄美ではそこまでの個体数は飛来しないようだ。図鑑などをみても奄美大島が繁殖地の北限とある。
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生簀から獲物をとっては少し離れた堤防に飛んでいき、また直ぐに戻ってくる。見ているだけでも結構な数の小魚(イワシ?)を採っていたが、いったいどれだけの量をお腹に入れるのか。。
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図鑑などでみるとベニアジサシよりもやや小さいとあるが、翼の長さの関係だろうか、富んでいるところを見るとむしろベニアジサシよりも大きく見える。
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ベニアジサシと同様、飛びながら「ギュイ」とか「ギュッ」といった声で鳴くが、やや濁った声だ。

2013年6月中旬・撮影地奄美市大熊漁港
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by hideaki0310 | 2013-07-15 06:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

アカアシシギ(Common Redshank)~2013.07

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シベリアオオハシシギとともに行動していた、アカアシシギ。関東では秋の渡りの時期、南西諸島では越冬中ノアカアシシギをよく観察することがでるが、夏羽のアカアシシギはなかなかお目にかかれない。道東の野付半島などでは夏の見られ、繁殖している個体もいるが、こうして至近距離で観察できる機会はなかなかない。この個体はよく見ると全体的に色が淡いので、若い個体ではないかと推定できる。今回飛来したシベリアオオハシシギと同様、非繁殖個体なのではないだろうか。
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下の写真は、南西諸島で撮影したアカアシシギ。第1回の冬羽だと思われる。嘴基部や足の色は夏羽とちがってオレンジ色。
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2013年7月上旬・撮影地東京都
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by hideaki0310 | 2013-07-13 06:00 | 東京都 | Trackback | Comments(0)

シベリアオオハシシギ(Asiatic Dowitcher)~2013.07

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数日前に渡来したシベリアオオハシシギ。関東では何年かに一度、その話を耳にするが、7月のこの時期の飛来はかなり珍しいのではないだろうか?この時期はいわゆる夏羽ということになるが、私が観察した日にはだいぶに換羽が進み、飛来当初の胸の赤味はだいぶ無くなっていた。この時期は数日でこのような変化をするのであろう。
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換羽中と思われるので、はっきりとした年齢はわからないが、時期的に幼鳥の可能性はなく、成鳥にしては背中軸班の周りの羽縁の淡黄色と白色が目立つので雌又は若い個体だと思われる。さらに飛来当初の色合いから若い個体だとしても第2回以降の夏羽なのではないだろうか?

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このクラスの珍しい鳥が来るといつも思うのであるが、雌雄や月齢、夏羽、冬羽などが詳しく載っている日本の図鑑がぜひともほしいと思う。

2013年7月上旬・撮影地東京都
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by hideaki0310 | 2013-07-11 06:00 | 東京都 | Trackback | Comments(0)

クロサギ(Pacific reef heron)~2013.06

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南西諸島の定番「白い」クロサギ。ここ奄美大島でも白色型と黒色型の両方が見られた。クロサギは南方系の種類であるため、関東などで見るクロサギは生息地の北限にあたる。和名は黒鷺だが、南西諸島では「白色型」の方を多く見かける。白色型はサンゴ礁の白い砂浜に適合し、黒色型は岩場の黒に適合しているらしいが同じ種類でこれだけ体色が異なるのは興味がわくところだ。共通点は、目の色と脚の色くらい。珊瑚礁のない、九州以北では白色型は本当に生息しないのか?白色型と黒色型のペアから生まれる個体が中間型と呼ばれる個体なのかなどなど。
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黒色型。この生簀の周りには白色型が2羽、黒色型が一羽。さらにダイサギが2~3羽いたので、この黒色型の個体は目立つ存在だった。
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2013年6月中旬・撮影地奄美市大熊漁港
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by hideaki0310 | 2013-07-09 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)

ササゴイ(Striated heron)~2013.07

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梅雨明け宣言があったこの土曜日、関東は今年初めての猛暑に見舞われた。少しでも涼しい場所へと地元の河川に向かった。この時期なると毎年ササゴイを撮影することが恒例となっている。このササゴイ、神奈川にはこの時期になるとやってくる夏鳥である。同じ仲間のゴイサギなどと比べると行動が非常にアクティブで長い時間観察していても飽きることはない。この日も2羽のササゴイが目の前で独特の行動を見せてくれた。
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川の中央部のブロックの上でじっと小魚を待つ。今の時期、酒匂川では鮎の遡上が見られ、ササゴイの獲物はその鮎。1時間ほど観察している間、3~4匹の鮎を見事に捉えていた。
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ブロックからブロックに器用に飛び移るのだが、その飛び方はなかなかユーモラス。
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2013年7月上旬・撮影地神奈川県酒匂川
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by hideaki0310 | 2013-07-07 06:00 | 神奈川県 | Trackback | Comments(0)

ルリカケス(Lidth's Jay)~2013.06

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奄美大島といえばこの鳥を思い浮かべる方が多いだろう。ルリカケスの繁殖時期は早く、2月ごろから始まる。私が訪れた6月ともなる子育ても終え、家族単位で広範囲を移動するようになる。ルリカケスをじっくり観察したいならやはり繁殖期の3月~4月が適している。今回の写真は奄美自然観察の森での撮影だが、ここ以外でも比較的姿を見る機会は多かった。しかしながら写真を撮るとなるとまた別で、とにかく茂みから出てこない。しかも行動は高い木の梢付近のため頭の上でギャーギャーというルリカケスの声が響くが、姿は見えずといったことがしばしば。なんとか写真に撮れても茂みの中とか逆光、空抜けなど、カメラマン泣かせの野鳥である。ここに掲載した写真のほとんどが逆光のなかでのもの。RAWで撮影してソフトで補正してなんとか色が確認できる程度になったものがほとんど。
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1枚目の写真は今年生まれの幼鳥。成鳥にくらべて光沢がなく、全体が黒っぽく見える。羽根や尾の先端の白班がないことでも区別できる。2枚目、3枚目の写真は白班は見られるが、成鳥のような光沢はなく若鳥?と思われ、ちょうど換羽の時期を迎えているようだった。
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これも幼鳥。この個体は唯一比較的撮影しやすい場所まで降りてきてくれた。この時期はこのような今年生まれと思われる幼鳥が多くみられる。成鳥に比べると警戒心が薄いのか、好奇心からか私の前に姿を見せてくれることが多かった。幼鳥とはいえ、光が当たると瑠璃色が美しい。
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セミを捕えたところ。ルリカケスの主食はドングリなどの木の実であるが、この時期は大発生するオキナワエゾハルゼミを捕食しているシーンを何度か目にした。

2013年6月中旬・撮影地奄美自然観察の森
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by hideaki0310 | 2013-07-04 05:00 | 離島 | Trackback | Comments(0)