歯舞でのクルーズの後、午後からの落石でのクルーズに参加するため根室半島を西に向かった。根室半島にはいくつか小さな漁港があるのでその中の一つを覗いてみると港内にはウミアイサが一羽だけ。しばしの休憩と思い海沿いの道に車を止めた。右は雪をかぶった海岸線、左は切り立った崖沿いに数件の民家があった。暖かな日差しに誘われて車外にでると近くからホオジロ系の地鳴きが聞こえてきた。どうやら左側の民家の方角から聞こえてくるようだ。「チュ、チュ、チュ」という明らかにホオジロとは異なる鳴き声をたよりに探していくと低木の中段あたりにシラガホオジロを見つけた。雄雌5羽の小群だった。
しばらく低木に止まっていたがふと海岸方面に飛び立ったのでそちらを覗くと雪のかぶった海岸に生えているハマニンニクの種子をついばんでいた。ハマニンニクはイネ科の植物で冬の北海道では小鳥たちの貴重な食料となる。ユキホオジロやツメナガホオジロもこのハマニンニク目当てで移動する。
シラガホオジロ♂。♂の頭頂は名前通り、白い毛が目立つ。
シラガホオジロ♀。
北海道では冬、海岸沿いで多くの小鳥類が見られるのはハマニンニクが理由。このハマニンニク、道東の海岸沿いではよく見かけた。ハマニンニクが生えている場所はちょっと注意して観察すると思いがけない鳥に会うことができるかもしれない。
2012年2月上旬・撮影地北海道根室市/ニコンD300使用